乳房のうっ滞解消法:乳腺炎になる前に対処する
おっぱいが石のように硬くて痛くて眠れませんか?乳房のうっ滞(張り)は、母乳育児の初期にほとんどすべてのお母さんが経験する一般的な症状です。米国小児科学会(AAP)とラ・レーチェ・リーグ(La Leche League)のガイドラインに基づいて、乳房のうっ滞の予防と対処法をご紹介します。
乳房のうっ滞とは?
乳房のうっ滞は、母乳が乳房に過剰に蓄積することで起こる症状です。
| 区分 | 正常な張り | うっ滞(強い張り) |
|---|---|---|
| 感触 | 硬いが快適 | 石のように硬く痛い |
| 皮膚 | 正常 | 張ってツヤがある |
| 乳首 | 正常に突出 | 平らになり吸いにくい |
| 体温 | 正常 | 微熱の可能性(38°C未満) |
| 授乳 | 正常にできる | 吸わせにくい |
うっ滞が起こる時期
| 時期 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 出産後2-5日 | 初乳→成熟乳への移行期 | 最も多い時期、母乳が急激に増える |
| 授乳間隔が空いた時 | 赤ちゃんが長く眠り始める | 夜間に母乳が溜まる |
| 授乳回数を減らす時 | 離乳食開始、卒乳 | 徐々に減らせば予防可能 |
| 赤ちゃんがうまく吸えない時 | 母乳の排出不足 | 乳頭混乱、舌小帯の問題など |
うっ滞の予防法
1. 頻繁に、効果的に授乳する
| 推奨事項 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 授乳頻度 | 24時間で8-12回(2-3時間間隔) |
| 両方の乳房で授乳 | 片方15-20分後、反対側へ |
| 夜間授乳を維持 | 最初の数週間は起こしてでも授乳 |
| 赤ちゃんのサインに従う | 空腹のサインが出たらすぐ授乳 |
2. 正しいラッチ(くわえ方)
赤ちゃんが深くくわえないと効果的に母乳が出ません。
正しいラッチのチェックリスト:
- 赤ちゃんの口が大きく開いている
- 乳輪のほとんどが口の中に入っている
- 赤ちゃんのあごが乳房に触れている
- 飲み込む音が聞こえる
- 痛みなく引っ張られる感覚だけ
3. 乳房を空にする
- 片方の乳房を完全に空にする: 次の授乳は反対側から
- 搾乳器を活用: 赤ちゃんが飲みきれなかったら搾乳
- 手で搾乳: シャワー中に軽く絞る
うっ滞の対処法
即効性のある緩和方法
| 方法 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 温湿布(授乳前) | 乳管を開き、母乳の流れを促進 | 3-5分だけ、長すぎると腫れが悪化 |
| 冷湿布(授乳後) | 腫れを抑え、痛みを緩和 | 20分ずつ、皮膚に直接当てない |
| キャベツの葉 | 腫れを抑える(民間療法) | しおれたら交換、乳首は避ける |
| やさしいマッサージ | 詰まった乳管を開通 | 乳首に向かってやさしく |
逆圧軟化法(Reverse Pressure Softening)
乳輪周辺がひどく腫れて赤ちゃんがくわえにくい時に使います。
方法:
- きれいな指先で乳輪周辺をやさしく押す
- 乳首方向に1-3分間圧力を維持
- 腫れが引いて乳首が突出する
- すぐに赤ちゃんに授乳
段階別うっ滞管理
レベル1:軽度のうっ滞
- 頻繁に授乳(2時間ごと)
- 温かいシャワー中にやさしくマッサージ
レベル2:中等度のうっ滞
- 授乳前に温湿布3分
- 逆圧軟化法で乳首を突出させる
- 授乳後に冷湿布15-20分
レベル3:重度のうっ滞
- 医師処方の鎮痛剤(イブプロフェンなど)
- 授乳の合間に搾乳で圧力を緩和
- 48時間以内に改善しなければ病院へ
うっ滞 vs 乳腺炎の見分け方
| 症状 | うっ滞 | 乳腺炎(感染) |
|---|---|---|
| 影響範囲 | 両方の乳房全体 | 片方の乳房の一部分 |
| 熱 | 微熱またはなし(38°C未満) | 高熱(38.5°C以上) |
| 皮膚の変化 | 張ってツヤがある | 赤く熱い、くさび形 |
| 全身症状 | ほとんどなし | 体の痛み、悪寒、疲労 |
| 授乳後 | すぐに改善 | 授乳後も症状が続く |
| 治療 | セルフケア可能 | 抗生物質が必要な場合も |
病院受診が必要な場合
- 38.5°C以上の高熱
- 乳房に赤い筋(感染拡大の兆候)
- 48時間以上症状が続く
- 膿や血液の分泌
- 激しい痛みで授乳できない
うっ滞時に避けるべきこと
| 避けるべきこと | 理由 |
|---|---|
| きついブラジャー | 乳管を圧迫、うっ滞悪化 |
| 過度な搾乳 | かえって母乳生産量が増える |
| 授乳を飛ばす | うっ滞悪化、乳腺炎のリスク |
| 卒乳を試みる | うっ滞中は絶対禁止 |
| 熱すぎる湿布 | 腫れが悪化する可能性 |
うっ滞予防の生活習慣
- 楽な授乳ブラを着用: ワイヤーなしのもの
- 乳房を下にして寝ない: 圧迫を防ぐ
- 十分な水分摂取: 1日2-3リットル
- 休息: ストレスは母乳分泌に影響
- 赤ちゃんのサインを読む: 空腹のサインを見逃さない
うっ滞FAQ
Q: うっ滞中でも授乳していいですか?
A: はい、むしろもっと頻繁に授乳すべきです!授乳がうっ滞解消の最良の方法です。赤ちゃんには安全で、母乳を出すことでうっ滞が緩和されます。
Q: 鎮痛剤を飲んでも授乳できますか?
A: イブプロフェンとアセトアミノフェン(タイレノール)は授乳中でも安全です。米国小児科学会(AAP)で承認されている薬です。ただしアスピリンは避けてください。
Q: キャベツの葉は本当に効果がありますか?
A: 科学的根拠は限られていますが、多くのお母さんが効果を実感しています。冷たさが腫れの緩和に役立ち、害はないので試してみる価値はあります。
Q: うっ滞が頻繁に起こる場合はどうすればいいですか?
A: 繰り返すうっ滞は、ラッチの問題、母乳排出の問題、または乳管の詰まりの可能性があります。母乳育児の専門家(国際認定ラクテーション・コンサルタント、IBCLC)に相談してください。
ベビスナで授乳管理
うっ滞予防の鍵は規則的な授乳です。ベビスナがお手伝いします。
- 授乳記録: 時間、量、左右の記録でバランスの取れた授乳
- 授乳リマインダー: 一定の間隔を維持するためのアラート
- パターン分析: グラフで問題を早期発見
- メモ機能: うっ滞の症状、解決方法を記録
- AI健康レポート: 授乳パターン分析とアドバイス
参考資料:

医療上の免責事項: この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医療アドバイスに代わるものではありません。赤ちゃんの健康について心配な点がある場合は、必ず小児科専門医にご相談ください。
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