赤ちゃんのクループ(急性喉頭炎)完全ガイド:犬吠様咳嗽の症状と応急対処法

公開日: 2025-11-03最終確認日: 2025-11-03ベビスナ育児コンテンツチーム16 で読めます

真夜中、突然お子さんが犬の遠吠えのような「ケンケン」という激しい咳をし始めたら — ほとんどの親御さんが驚いてパニックになりますよね。この特徴的な咳の音は、クループ(急性閉塞性喉頭気管支炎)の代表的な症状なんです。クループは生後6ヶ月から3歳のお子さんに最も多く、秋から初冬にかけて特に多く発生します。怖く聞こえますが、ほとんどのクループは軽症で3〜5日以内に改善しますよ。この記事では、クループの症状、重症度の判断方法、ご家庭での対処法、そして救急受診の目安まで詳しくご紹介しますね。

クループとは?原因と発症時期

クループは、ウイルス感染によって喉頭(声帯)と気管(気道)に炎症が起こり、気道が狭くなる疾患です。医学的には急性閉塞性喉頭気管支炎(acute laryngotracheobronchitis)と呼ばれています。

主な原因ウイルス

  • パラインフルエンザウイルス(1型、2型、3型):クループ全体の約75%を占める
  • RSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)
  • インフルエンザウイルス
  • アデノウイルス

かかりやすい時期と年齢

  • 年齢:生後6ヶ月〜3歳が最も多く、6歳まで発症の可能性あり
  • 季節:秋(10〜11月)と初冬に集中的に発生
  • 性別:男の子が女の子の約1.5倍多い
  • 時間帯:症状が夜間〜明け方に悪化する特徴あり

お子さんの気道は大人と比べて直径がずっと細いため、同じ程度の腫れでも気道が狭くなる割合がはるかに大きいんです。大人が同じウイルスに感染しても声がかれる程度で済みますが、乳幼児では気道閉塞にまで至りうる理由がまさにこれなんですよ。

クループの4つの特徴的な症状

1. 犬吠様咳嗽(Barking Cough)

  • 犬の遠吠えやオットセイの鳴き声のような独特な咳
  • クループの最も代表的な症状です
  • 一度聞いたら忘れられない特徴的な音

2. 嗄声(させい)

  • 声帯に炎症が起きることで声がかすれたり、かれたりする
  • お子さんの泣き声もいつもと違って聞こえる

3. 吸気性喘鳴(Stridor)

  • 息を吸うときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という高い音が出る
  • 気道が狭くなっているサイン
  • 泣いたり興奮したりした時だけ聞こえれば軽症、安静時にも聞こえれば中等症以上

4. 呼吸困難

  • 呼吸するたびに肋骨の間や首の下がへこむ現象(胸壁陥没/陥没呼吸)
  • 鼻翼呼吸(鼻の穴がぴくぴく動く)
  • 重症化すると唇や指先が青くなるチアノーゼ
💡 クループの症状は夜間〜明け方に最も悪化する特徴があります。昼間は元気そうに見えていても、夜中に突然悪化することが多いです。夕方から咳が出始めたら、夜間は注意深く観察してくださいね。

クループの重症度を判断する

クループの治療方針は重症度によって変わります。下の表を参考に、お子さんの状態を判断してみてくださいね。

重症度喘鳴(ゼーゼー)呼吸状態対処
軽症時々ケンケンと咳泣いたり興奮した時のみ安静時は正常自宅で経過観察
中等症頻繁なケンケン咳安静時にも聞こえる軽い胸壁陥没小児科を受診
重症激しい咳安静時にはっきりした喘鳴著しい胸壁陥没、不穏状態救急受診
呼吸不全の前兆咳が弱くなる音が小さくなる意識低下、チアノーゼ119番通報
⚠️ 注意:重症から呼吸不全の段階に進むと、逆に咳の音や喘鳴が小さくなることがあります。「静かになったから良くなった」と思わないでください。お子さんがどんどん元気がなくなり、反応が鈍くなっていたら、すぐに119番に通報してください。

クループと他の疾患の見分け方

お子さんが咳をして呼吸が苦しそうな時、クループではない別の疾患の可能性もあります。特に以下の疾患との鑑別が重要ですよ。

特徴クループ細気管支炎急性喉頭蓋炎異物誤嚥
発症徐々に(1〜2日かけて)徐々に急激(数時間以内)突然
ケンケン(犬吠様)ゼーゼー(喘鳴)咳は少ない突然の咳/えずき
発熱微熱〜中等度微熱〜中等度高熱(39°C以上)通常なし
よだれなしなし著しいよだれあることも
姿勢特定の姿勢なし特定の姿勢なし前かがみに座る特定の姿勢なし
好発年齢6ヶ月〜3歳2歳未満2〜7歳6ヶ月〜3歳
⚠️ 急性喉頭蓋炎は緊急事態です!高熱とともに唾液を飲み込めずにダラダラと垂れ流し、前かがみに座ろうとし、声がこもって聞こえる場合は、すぐに119番に通報してください。口の中を無理に覗こうとしないでくださいね。

ご家庭でのクループ対処法

軽症のクループはほとんどの場合、ご家庭で対応できますよ。以下の方法を試してみてくださいね。

1. お子さんを安心させる — これが最も大切!

お子さんが泣いたり興奮したりすると気道の腫れが悪化し、症状がさらにひどくなります。まず親御さんが落ち着いて、お子さんを抱っこして安心させてあげてください。縦抱きにすると呼吸が少し楽になりますよ。

2. 涼しい夜の空気に当てる

窓を開けるか、少しの間お外に出て涼しい空気に当ててみてください。冷たい空気が腫れた気道を収縮させて、症状が和らぐことがあります。実は、救急病院に向かう途中で車の窓を開けて走っているうちに、到着する頃には症状が良くなっていたというケースも多いんですよ。

3. 水分補給

温かい水分や母乳・ミルクを少量ずつこまめに飲ませてあげてください。水分は気道の粘膜を潤して保護し、脱水も予防してくれます。

4. 加湿器の使用

お部屋の湿度を上げると気道への刺激を減らすことができます。クールミスト加湿器を使うか、浴室でお湯を出して蒸気を作り、お子さんと一緒に10分ほど座っているのも助けになりますよ。

5. 解熱剤の使用

38.5°C以上の発熱がある場合は、アセトアミノフェン(カロナールなど)を使用しましょう。6ヶ月以上であればイブプロフェンも使えます。熱を下げるとお子さんが楽になり、呼吸も安定しますよ。

やってはいけないこと

  • 市販の咳止め薬を飲ませること(クループには効果がなく、副作用のリスクがあります)
  • 1歳未満の赤ちゃんにハチミツを与えること(ボツリヌス症のリスク)
  • 無理に寝かせること(縦抱きの方が呼吸が楽です)
  • 口の中を無理に覗いたり指を入れたりすること

救急受診が必要な場合

以下の症状が一つでも見られたら、すぐに救急病院を受診するか119番に通報してくださいね。

  • 安静にしていても息を吸うときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音(吸気性喘鳴)が続く
  • 呼吸するたびに肋骨の間や首の下が深くへこむ(著しい胸壁陥没)
  • 唇や爪が青く変色している(チアノーゼ)
  • 唾液を飲み込めずにダラダラと垂れる
  • お子さんが前かがみになって息をしようとしている
  • 意識がぼんやりしている、ぐったりしている
  • ご家庭での対処で症状がまったく改善しない
  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんにクループ症状が現れた
⚠️ 救急病院への移動時:車の窓を少し開けて、涼しい外の空気が入るようにしてください。移動中に症状が和らいでも、必ず受診してくださいね。クループの症状は再び悪化することがありますよ。

病院でのクループ治療

病院では重症度に応じて以下のような治療が行われます。

デキサメタゾン(Dexamethasone)

  • すべての重症度のクループに使用される中心的な治療薬
  • ステロイド成分で気道の腫れを効果的に抑える
  • 通常、シロップ剤で1回投与
  • 投与後2〜4時間で効果が現れ、24〜48時間持続
  • 研究によると、1回の投与で症状改善、再受診減少、入院期間短縮の効果がある

ネブライザーによるエピネフリン吸入(Nebulized Epinephrine)

  • 中等症〜重症のクループに使用
  • 吸入器で投与して気道粘膜の腫れを速やかに軽減
  • 投与後10〜30分で効果発現
  • 効果の持続時間が約2時間と短いため、病院での経過観察が必要

酸素投与

  • 血中酸素飽和度が低下した場合に補助的に使用

クループの予防と再発パターン

クループそのものを完全に予防するワクチンはまだありませんが、原因ウイルスへの感染リスクを減らす方法はありますよ。

予防法

  • 手洗い:最も基本的で効果的な予防法
  • 咳エチケット:咳やくしゃみの時は肘で覆う
  • 換気:室内の換気をこまめに行う
  • クループ患者との濃厚接触を避ける
  • インフルエンザ予防接種:インフルエンザによるクループの予防に有効

再発パターン

  • クループは繰り返し起こることがあります(特に気道が細いお子さん)
  • 通常、成長とともに気道が広くなり、3〜4歳以降は頻度が減少
  • 年に2回以上繰り返す場合は小児呼吸器専門医の受診をおすすめします
  • 早産児や気管挿管の経験がある場合は再発リスクが高くなります

ベビスナでお子さんの健康管理

お子さんの咳のパターン、発熱の記録、症状の変化をきちんと記録しておくと、受診時にとても役立ちますよ。ベビスナで体系的に管理してみましょう。

  • 健康記録機能:咳の開始時期、発熱パターン、症状の変化を記録して、受診時に医療スタッフに正確な情報を伝えられます
  • AIチャットボット相談:深夜にお子さんが突然咳を始めた時、救急に行くべきか悩んだ時、すぐにAIに相談できますよ
  • 家族共有:パートナーや祖父母とお子さんの健康記録をリアルタイムで共有して、誰がお子さんを見ていても正確な状況把握ができます

よくある質問

Q: クループはうつりますか?
A: クループそのものがうつるのではなく、クループを引き起こすウイルス(パラインフルエンザなど)がうつります。他のお子さんに感染した場合、風邪として現れることもあれば、クループとして現れることもありますよ。症状がある間は保育園などの集団生活は避けた方が良いですね。

Q: クループの咳と普通の咳はどう見分けますか?
A: クループの咳は一度聞いたらすぐにわかるほど独特です。犬の遠吠えやオットセイの鳴き声のような「ケンケン」「バウバウ」という音がします。普通の風邪の「コンコン」という咳とはまったく違う、金属的で鋭い音が特徴です。インターネットで「クループ 咳 音」と検索すると実際の音を聞くことができますよ。

Q: 蒸気の吸入は本当にクループに効果がありますか?
A: 蒸気吸入がクループに効果的だという強い科学的エビデンスは限られていますが、多くの医師が気道の粘膜を潤す助けになると推奨しています。実は、それよりも効果的なのが涼しい夜の空気なんです。窓を開けたり、少し外に出たりすることで、腫れた気道が収縮して楽になることがありますよ。

Q: クループは通常どのくらい続きますか?
A: ほとんどのクループは3〜5日で改善します。症状のピークは通常2〜3日目の夜で、その後は徐々に良くなっていきます。咳が1週間以上続いたり、3日目以降も悪化し続ける場合は、他の原因の可能性があるので小児科を受診してくださいね。

Q: クループに抗生物質は必要ですか?
A: いいえ、クループはウイルス感染なので抗生物質は効果がありません。中心的な治療薬はデキサメタゾン(ステロイド)で、気道の腫れを抑える役割を果たします。ただし、細菌感染が合併した場合は、医師の判断で抗生物質が処方されることがありますよ。

参考文献

赤ちゃんのクループ(急性喉頭炎)完全ガイド:犬吠様咳嗽の症状と応急対処法

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