赤ちゃんのアトピーと乳児湿疹の違い|症状・保湿ケア・受診の目安
公開日: 2026-02-05•最終確認日: 2026-02-05•ベビスナ育児コンテンツチーム•9分 で読めます
生後2〜3ヶ月頃になると、多くの赤ちゃんの頬が赤くなり、ブツブツした発疹が出てきます。「これは乳児湿疹?それともアトピー?」は、新米パパ・ママが一番多くする質問です。乳児湿疹(脂漏性皮膚炎)はほとんど自然に治まりますが、アトピー性皮膚炎は継続的なケアが必要です。この記事では、乳児湿疹とアトピーの見分け方から、正しい保湿方法、環境管理、病院に行くべきタイミングまで詳しくご紹介します。
乳児湿疹 vs アトピー性皮膚炎、どう違う?
見た目は似ていますが、原因と経過が異なります。
| 区分 | 乳児湿疹(脂漏性皮膚炎) | アトピー性皮膚炎 |
|---|---|---|
| 発症時期 | 生後2〜8週 | 生後2〜6ヶ月 |
| 主な部位 | 顔、頭皮、おでこ | 頬、関節の内側(肘・膝)、首 |
| 持続期間 | 数週〜数ヶ月(1歳前に改善) | 2ヶ月以上繰り返す |
| かゆみ | ほとんどなし | 強いかゆみ(掻こうとする) |
| 肌の状態 | 黄色いかさぶた、脂っぽいフケ | 乾燥してカサカサ |
| 家族歴 | 関連性は低い | 親のアレルギーがあると高リスク |
| 予後 | ほとんど自然に治る | 慢性的、再発の可能性あり |
アトピー性皮膚炎の初期症状
アトピー性皮膚炎は年齢によって症状が出やすい部位が変わります。
乳児期(生後2ヶ月〜2歳)
- 両方の頬が赤くカサカサになる
- おでこ、あごに乾燥した発疹
- 腕や脚の外側にブツブツした発疹
- ひどくなるとジュクジュクしてかさぶたに
- かゆくて顔を枕にこすりつけたり、手で掻こうとする
幼児期(2歳〜12歳)
- 肘の内側、膝の裏に集中
- 首、手首、足首の曲がる部分
- 皮膚が厚くなり、しわが深くなる(苔癬化)
アトピー性皮膚炎の診断基準
小児科では以下の基準でアトピーを診断します。
必須条件:
- かゆみがあること
追加条件(3つのうち2つ以上該当):
- 関節の内側(屈曲部)に皮膚炎がある
- 喘息やアレルギー性鼻炎の既往歴(本人または家族)
- 全身の皮膚乾燥症
保湿ケア — アトピー管理の要
アトピー管理で最も大切なのは保湿です。アトピーの赤ちゃんは肌のバリア機能が弱く、水分が逃げやすいため、こまめな保湿が欠かせません。
保湿剤の選び方
- 軟膏(ワセリンなど):保湿力が最も高い、ひどい乾燥に最適
- クリーム:最も使いやすく一般的
- ローション:軽い使い心地で夏向きだが保湿力は弱め
- 無香料・無着色・低刺激の製品を選ぶ
- セラミド配合の製品がおすすめ(肌のバリア機能を補強)
正しい保湿の方法
- 1日最低2〜3回(入浴後は必ず)
- 入浴後3分以内に塗る(肌がしっとりしているうちに)
- たっぷりの量を毛の流れに沿って優しく塗る
- 顔、首、関節の曲がる部分も忘れずに
- 悪化時は1日5〜6回に増やす
正しい入浴法
入浴は肌を清潔にしつつ、水分を奪わないことが大切です。
入浴ガイド:
- お湯の温度:36〜38°C(ぬるめ)
- 時間:5〜10分以内
- 洗浄料:弱酸性(pH 5〜5.5)の低刺激タイプ
- 泡立てて手で優しく洗う(タオルでゴシゴシしない)
- スクラブやあかすりは絶対禁止
- 入浴後はやわらかいタオルで押さえるように水気を取る
- 3分以内に保湿剤を塗る
| 項目 | 推奨 | 注意 |
|---|---|---|
| お湯の温度 | 36〜38°C | 40°C以上は肌への刺激に |
| 時間 | 5〜10分 | 20分以上は水分が失われる |
| 頻度 | 1日1回 | 1日2回以上は避ける |
| 洗浄料 | 弱酸性、無香料 | 石けんは刺激が強い |
環境管理
アトピーの肌は環境の変化に敏感です。室内環境を適切に整えましょう。
室内環境の目安:
- 湿度:50〜60%(加湿器を活用)
- 温度:20〜22°C(暑くしすぎない)
- 綿100%の衣類と寝具を使用(ウールや化学繊維は避ける)
- カーペットやぬいぐるみなどダニの温床を減らす
- こまめに換気(ただしPM2.5が多い日は控えめに)
悪化要因を避ける:
- 汗:厚着させすぎや暑い環境
- 乾燥した空気:冬場の暖房
- 刺激のある洗剤:柔軟剤は控える、無香料の洗濯洗剤を使用
- 食事制限:医師の指示なしに自己判断で食べ物を制限しない(栄養不足の原因に)
ステロイド外用薬を正しく理解する
ステロイド外用薬に不安を感じる親御さんは多いですが、正しく使えば安全で効果的なアトピー治療の基本です。
正しい使い方:
- 医師の処方通りに強さと期間を守る
- 顔は弱いランク、体や手足は中程度のランク
- 症状のある部位にのみ薄く塗る
- 保湿剤を先に塗り、15〜20分後にステロイド外用薬を塗る
- 症状が改善しても、医師の指示なく急にやめない
よくある誤解:
- 「ステロイドは絶対に悪い」→ 適切な使用は安全で十分に研究されている
- 「一度使うとやめられない」→ 症状をコントロールした後、段階的に減量できる
- 「ステロイドで肌が黒くなる」→ 色素沈着の原因は炎症そのものであり、薬ではない
病院に行くべきタイミング
次のような場合は、小児科または皮膚科を受診してください。
早めの受診が必要な場合:
- ジュクジュクしたり、黄色い膿が出ている(二次感染の疑い)
- 患部が腫れて熱を持っている
- かゆみがひどくて眠れない
- 保湿だけでは改善しない
- 発疹が広がっている
定期的な管理が必要な場合:
- 症状が2ヶ月以上繰り返す
- 家族にアトピー・喘息・花粉症の既往歴がある
- 全身にわたって肌が乾燥しカサカサしている
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参考文献



