カウプ指数の計算方法と月齢別の目安|赤ちゃん・幼児の正しい見方

成長の記録を残しておきましょう
無料で始める健診のあと、母子手帳の身長と体重からカウプ指数を計算してみたら18。「これって太りすぎ?」と心配になりますよね。カウプ指数は体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数で、大人のBMIと同じ計算です。ただし赤ちゃんや幼児の値は月齢とともに大きく上下するため、「15〜19ならふつう」のような一つの基準だけで判定すると判断を誤りやすいとされています。計算のしかたと、月齢に合わせた正しい見方をまとめました。
💡 カウプ指数=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)。1歳未満は肥満かどうかの判定に使わず、体重が発育曲線に沿って増えているかを見ます。1〜6歳未満は日本小児科学会などが使う「肥満度」で判定し、−15%〜+15%の間なら「ふつう」です。カウプ指数とは?計算方法
カウプ指数は、身長のわりに体重が多いか少ないかを1つの数字で表す指標です。計算式は大人のBMIとまったく同じで、乳幼児ではBMIのことを「カウプ指数」とも呼びます(こども家庭庁「乳幼児身体発育評価マニュアル」)。
計算式
- 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
- 体重(g) ÷ 身長(cm) ÷ 身長(cm) × 10(gとcmで計算しても同じ数字になります)
計算例:1歳6か月、身長80cm・体重10.5kgなら、10.5 ÷ 0.8 ÷ 0.8 = 約16.4です。
「15〜19ならふつう」は当てにならない?月齢でこれだけ変わる
カウプ指数には「標準は15〜19くらい」という目安が昔からあり、計算サイトでもよく使われています。こども家庭庁のマニュアルも、この「一応の基準」と比べて体格を評価できるとされてきたと紹介しています。ただ同じマニュアルは、カウプ指数は月齢・年齢とともに大きく変動するので、乳幼児期を通した単一の基準で評価すると判断を誤りやすいと注意しています。
日本小児内分泌学会が公開している基準値(2000年度データ)から計算すると、カウプ指数の中央値は生まれたときの約12.6から上がり、生後6か月ごろに男の子17.4・女の子17.0でいちばん高くなります。そこから少しずつ下がって、4〜5歳ごろには男女とも約15.3になります。日本小児科学会の幼児肥満ガイドも、幼児期は乳児期を過ぎて体格がスリムになる時期だと説明しています。
| 月齢 | 男の子 中央値 | 男の子 範囲 | 女の子 中央値 | 女の子 範囲 |
|---|---|---|---|---|
| 3か月 | 16.7 | 14.1〜19.6 | 16.3 | 13.7〜19.0 |
| 6か月 | 17.4 | 14.8〜20.3 | 17.0 | 14.4〜19.8 |
| 9か月 | 17.0 | 14.5〜19.8 | 16.7 | 14.2〜19.4 |
| 1歳 | 16.7 | 14.3〜19.3 | 16.2 | 13.9〜18.8 |
| 1歳6か月 | 16.1 | 13.9〜18.7 | 15.7 | 13.5〜18.2 |
| 2歳 | 15.8 | 13.8〜18.3 | 15.5 | 13.4〜18.0 |
| 3歳 | 15.5 | 13.5〜18.0 | 15.3 | 13.2〜18.0 |
| 4歳 | 15.3 | 13.4〜18.1 | 15.3 | 13.1〜18.3 |
| 5歳 | 15.3 | 13.3〜18.5 | 15.3 | 13.0〜18.8 |
※日本小児内分泌学会「体格指数計算ファイル」の2000年度基準値(LMS法)から計算した値です。範囲は3〜97パーセンタイルで、同じ月齢の子100人のうち94人が入る幅です。肥満ややせを判定する基準ではなく、目安です。
同じ「18」でも、意味は月齢でまったく違います。生後6か月なら100人中真ん中より少し上(65〜74パーセンタイル)で心配のない範囲ですが、3歳なら上から3番目くらい(約97パーセンタイル)にあたります。一律の基準表だと、どちらも「ふつう」になってしまいます。

1歳未満の赤ちゃんは「肥満」の判定をしない
日本小児科学会の幼児肥満ガイドによると、乳児期は月齢によって体重が大きく異なり、身長と体重の関係も月齢で変わるため、標準体重が定義されていません。そのため「肥満」という体格の区分も使わないことになっています。乳児期に体重が多くても、歩き始めるなど運動機能が発達するにつれて標準に近づくことが多いとされています。日本小児内分泌学会も、肥満度による判定は乳児には用いないとしています。
同じガイドは、乳児の肥満は将来の肥満との関連が少なく、乳児期に授乳を制限する必要はないと考えられるとしています。ただし発育曲線で97パーセンタイルを超えてどんどん進んでいくような高度な体重増加には、注意が必要です。
1歳未満は、カウプ指数より体重が発育曲線のカーブに沿って増えているかを見ましょう。
- 母子健康手帳の発育曲線の帯(3〜97パーセンタイル)に、健診ごとの体重を書き込んでいきます。
- 発育のスパートの時期には、平均に向かってカーブをまたぐこともあります。
- 比較的短い期間にパーセンタイル曲線を下向きに2本以上横切るような体重の増え方なら、医療機関を受診しましょう(乳幼児身体発育評価マニュアル)。
1日あたりの体重の増え方は体重増加計算ツールで2回の計測値から計算でき、パーセンタイルの読み方は成長曲線の見方にまとめています。
1〜6歳は「肥満度」で判定するのが日本の基本
1歳から6歳未満の幼児は、カウプ指数ではなく肥満度で判定するのが日本の標準的な方法です。日本小児科学会のガイドは、幼児期はBMI(カウプ指数)の絶対値で肥満を判定できないとし、身長ごとの標準体重と比べる肥満度を使っています。
肥満度の計算式
- 肥満度(%) =(実測体重 − 標準体重)÷ 標準体重 × 100
標準体重は、身長(cm)を次の式に入れて求めます(幼児期、身長70〜120cm、2000年度データ)。
- 男の子:0.00206 × 身長² − 0.1166 × 身長 + 6.5273
- 女の子:0.00249 × 身長² − 0.1858 × 身長 + 9.0360
| 肥満度 | 体格の呼び方 |
|---|---|
| +30%以上 | ふとりすぎ |
| +20%以上 +30%未満 | ややふとりすぎ |
| +15%以上 +20%未満 | ふとりぎみ |
| −15%超 +15%未満 | ふつう |
| −20%超 −15%以下 | やせ |
| −20%以下 | やせすぎ |

※日本小児科学会「幼児肥満ガイド」表4(幼児の肥満度区分と体格の呼称)。
計算例:3歳の男の子、身長95cm・体重16.2kgの場合。標準体重は14.04kgなので、肥満度は(16.2 − 14.04)÷ 14.04 × 100 = 約+15.4%で「ふとりぎみ」です。カウプ指数は約18.0で「15〜19」の中に入りますが、肥満度で見ると「ふとりぎみ」になります。
身長別の早見表
計算が面倒なときは、下の表で確認できます。各欄の上の数字が標準体重、下が「ふつう」(肥満度−15%超〜+15%未満)にあたる体重の範囲(kg)です。
| 身長 | 男の子 | 女の子 |
|---|---|---|
| 75cm | 9.4kg 8.0〜10.8 | 9.1kg 7.7〜10.5 |
| 80cm | 10.4kg 8.8〜11.9 | 10.1kg 8.6〜11.6 |
| 85cm | 11.5kg 9.8〜13.2 | 11.2kg 9.5〜12.9 |
| 90cm | 12.7kg 10.8〜14.6 | 12.5kg 10.6〜14.4 |
| 95cm | 14.0kg 11.9〜16.1 | 13.9kg 11.8〜15.9 |
| 100cm | 15.5kg 13.1〜17.8 | 15.4kg 13.1〜17.7 |
| 105cm | 17.0kg 14.4〜19.5 | 17.0kg 14.4〜19.5 |
| 110cm | 18.6kg 15.8〜21.4 | 18.7kg 15.9〜21.5 |
| 115cm | 20.4kg 17.3〜23.4 | 20.6kg 17.5〜23.7 |
※上の標準体重の式から計算し、小数第2位を四捨五入した目安です。
母子健康手帳には「幼児の身長体重曲線」(肥満度判定曲線)が載っていて、身長と体重の点を打つだけでおおよその肥満度がわかります(日本小児内分泌学会)。日本小児内分泌学会の「体格指数計算ファイル」(Excel)を使えば、生年月日・測定日・性別・身長・体重から肥満度やBMIパーセンタイルを計算することもできます。なお母子健康手帳の健診記録でも、栄養状態は1歳6か月児健診までは「良・要指導」、2歳児健診からは「ふとり気味・普通・やせ気味」と体格で評価するのが基本です(乳幼児身体発育評価マニュアル)。
カウプ指数は「1回の数字」より「流れ」で見る
日本小児科学会の幼児肥満ガイドは、3歳のカウプ指数がすでに1歳6か月のときより増えている子は、3歳の時点で肥満でなくても、将来肥満になるリスクが高いとしています。上の表のとおり、ふつうはこの時期にカウプ指数が下がるからです(中央値は男の子16.1→15.5、女の子15.7→15.3)。
母子手帳に記録された1歳6か月児健診と3歳児健診の身長・体重からカウプ指数を計算して、下がっているかを見てみましょう。上がっていたら、肥満度がまだ「ふつう」でも生活習慣を見直すきっかけにします。同じガイドが勧める見直しのポイントは次のとおりです。
- 夜更かしをせず、睡眠時間を十分にとる
- 朝食をきちんと食べ、野菜を食べるようにする
- 食事は薄味にする
- 間食は時間を決めて、取りすぎないようにする
- 清涼飲料水はできるだけ避け、牛乳は1日200ml程度にする
- テレビや動画を見る時間を短くし、体を使った遊びをする
受診・相談の目安
日本小児内分泌学会は、身長に比べて明らかに体重が多いときや、体重が増え続けているときは一度医療機関を受診するよう勧め、子どもの肥満は早い時期に対応したほうが改善しやすいとしています。
- 体重が発育曲線を、比較的短い期間に下向きに2本以上横切った
- 1歳未満で、97パーセンタイルを超えて体重がどんどん増えていく
- 体重は増えているのに、身長の伸びが悪い(病気が隠れた肥満のサインのことがあります)
- 身長に比べて明らかに体重が多い、または体重が増え続けている
健診で「やせ」や「ふとりぎみ」と言われても、1回の計測だけでは決めつけません。マニュアルも、継続的な計測で総合的に評価することが必要だとしています。次の計測までの推移を、健診や小児科で一緒に見てもらいましょう。
ベビスナで成長を記録
身長と体重を続けて記録しておくと、1回の数字ではなく流れで見られます。
- 成長記録:体重・身長・頭囲を入力すると成長グラフにまとまる
- 成長の推移:時間とともにどう変わったかをグラフで確認
- 健診に活用:記録した値をそのまま乳幼児健診で見せられる
よくある質問(FAQ)
Q: カウプ指数の正常値(標準)はいくつですか?
A: カウプ指数の標準は月齢で変わるため、一つの正常値はありません。日本小児内分泌学会の基準値では、中央値は生後6か月ごろ(男の子17.4・女の子17.0)が最も高く、4〜5歳ごろには約15.3まで下がります。1〜6歳未満は肥満度で判定し、−15%〜+15%の間なら「ふつう」です。
Q: カウプ指数が18だと太りすぎですか?
A: 月齢によります。生後6か月の18は100人中真ん中より少し上で心配のない範囲ですが、3歳の18は上から3番目くらいにあたります。1〜6歳未満なら肥満度を計算し、+15%以上なら「ふとりぎみ」、+30%以上なら「ふとりすぎ」です。
Q: 1歳未満の赤ちゃんのカウプ指数が高めです。授乳を減らすべきですか?
A: 日本小児科学会のガイドは、乳児期には肥満という区分を使わず、乳児の肥満は将来の肥満との関連が少ないため授乳を制限する必要はないと考えられるとしています。体重が発育曲線に沿って増えているかを見て、97パーセンタイルを超えてどんどん増えていくときは小児科に相談しましょう。
Q: カウプ指数と肥満度はどう違いますか?
A: カウプ指数は体重を身長の2乗で割った数字で、標準が月齢によって変わります。肥満度は身長ごとの標準体重より何%重いか軽いかを表し、1〜6歳未満なら年齢に関係なく同じ基準(−15%〜+15%がふつう)で判定できます。母子手帳の「幼児の身長体重曲線」でも確認できます。
Q: 3歳児健診で「ふとりぎみ」と言われたら、どうすればいいですか?
A: 日本小児科学会のガイドは、夜更かしをせず睡眠を十分にとる、朝食を食べる、間食は時間を決めて取りすぎない、清涼飲料水を避ける、牛乳は1日200ml程度、画面を見る時間を短くして体を使って遊ぶ、といった生活習慣の見直しを勧めています。身長の伸びが悪いのに体重が増えるときは、小児科に相談しましょう。
参考文献
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