赤ちゃんの乳酸菌はいつから?プロバイオティクス菌株別の効能と選び方ガイド
赤ちゃんの乳酸菌、いつから飲ませてよいのでしょうか?プロバイオティクスは赤ちゃんの腸の健康と免疫力に重要な役割を果たしますが、菌株ごとに効能が異なり、選び方も迷ってしまいますよね。気になるパパ・ママも多いですよね。この記事では、ESPGHAN(欧州小児消化器肝臓栄養学会)2023年勧告を基に、主要な菌株別の効能と正しい選び方をわかりやすくお伝えしますね。
プロバイオティクスとは?赤ちゃんの腸内細菌の世界
プロバイオティクス(Probiotics)とは、適切な量を摂取することで健康に有益な効果をもたらす生きた微生物のことです。世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が共同で定義した概念です。
赤ちゃんの腸には出生直後からさまざまな細菌が定着し始め、この腸内フローラ(腸内細菌叢)は生後約3年かけて成人に近い構成へと発達していきます。
腸内細菌の役割
- 消化酵素では分解できない栄養素の分解
- 免疫細胞の約70%が集まる腸管免疫系の発達サポート
- 有害菌の増殖抑制と腸バリアの強化
- ビタミンK、ビタミンB群の合成
赤ちゃんに乳酸菌が必要な理由
赤ちゃんの腸はまだ未成熟なため、外部環境の影響を大きく受けやすいんですよ。特に以下のような状況では、プロバイオティクスが役立つことがありますので、チェックしてみてくださいね。
1. 帝王切開で生まれた赤ちゃん
- 経膣分娩時の有益菌を受け取れない
- 初期のビフィドバクテリウムの割合が低い可能性がある
2. ミルク育児の赤ちゃん
- 母乳に含まれるオリゴ糖(HMO)がビフィズス菌のエサとなるが、ミルクにはこの成分が限られている
- 腸内有益菌の多様性が母乳育児児に比べて低い可能性がある
3. 抗生物質を服用した赤ちゃん
- 抗生物質は有害菌だけでなく有益菌も除去してしまう
- 抗生物質関連下痢(AAD)の発生率は小児で約20%
4. 乳児疝痛(コリック)がある赤ちゃん
- 腸内の有害菌の割合が高く、炎症値が上昇しているという研究結果
- 特定の菌株が疝痛の症状緩和に効果的
5. 下痢や便秘を繰り返す赤ちゃん
- 腸内細菌バランスの回復にプロバイオティクスが活用可能
赤ちゃんの乳酸菌、いつから飲ませてよい?
赤ちゃんへのプロバイオティクス開始時期について、専門家の意見をまとめましたので参考にしてくださいね。
生後0〜3ヶ月
- 健康な正期産児であれば、通常プロバイオティクスは不要
- 乳児疝痛がひどい場合、小児科医に相談の上でL. reuteriの使用が可能
- 早産児や免疫力の低い赤ちゃんは必ず専門医に相談
生後3〜6ヶ月
- 消化の問題(ガス、便秘、下痢)が繰り返される場合、プロバイオティクスを検討
- 抗生物質治療時にAAD予防目的で医師が推奨する場合がある
生後6ヶ月以降
- 離乳食の開始とともに腸内環境が大きく変化
- 新しい食べ物への適応過程でプロバイオティクスが助けになることがある
主要菌株別の効能比較
すべての乳酸菌が同じ効果を発揮するわけではないんですよ。菌株(strain)によって効能がまったく異なるため、目的に合った菌株を選ぶことが大切ですね。
| 菌株名 | 主な効能 | 推奨対象 | エビデンスレベル |
|---|---|---|---|
| Lactobacillus reuteri DSM 17938 | 乳児疝痛の緩和(泣き時間50%減少) | 母乳育児中の疝痛児 | ESPGHAN強く推奨 |
| Lactobacillus rhamnosus GG(LGG) | 急性下痢の持続時間24〜30時間短縮、AAD予防 | 下痢・抗生物質服用中の赤ちゃん | ESPGHAN強く推奨 |
| Bifidobacterium infantis | 母乳オリゴ糖(HMO)分解、腸バリア強化 | 母乳育児児全般 | 多数の研究が支持 |
| Bifidobacterium lactis BB-12 | 乳児疝痛の緩和、腸管免疫の調節 | 疝痛のある赤ちゃん(母乳育児) | ESPGHAN推奨 |
| Saccharomyces boulardii CNCM I-745 | 抗生物質関連下痢(AAD)リスク57%減少 | 抗生物質服用中の赤ちゃん | ESPGHAN強く推奨 |
Lactobacillus reuteri DSM 17938 - 乳児疝痛の救世主
L. reuteriは乳児疝痛の研究で最も多くの臨床的根拠を持つ菌株です。母乳育児中の疝痛児に1日10^8 CFUを21日以上投与した結果、泣き時間がプラセボ対比で約50%減少したという研究が多数発表されています。
推奨用法
- 1日10^8 CFU以上
- 最低21日間連続投与
- 授乳前または授乳中に投与可能
Lactobacillus rhamnosus GG(LGG) - 下痢予防の代表菌株
LGGは世界で最も多く研究されたプロバイオティクス菌株の一つで、特に小児の急性感染性下痢と抗生物質関連下痢(AAD)の予防に強力なエビデンスがあります。
主な研究結果
- 急性下痢の持続時間を24〜30時間短縮
- ロタウイルス感染による下痢に特に効果的
- AAD予防にESPGHANが強く推奨する菌株
Bifidobacterium infantis - 母乳育児児の必須善玉菌
B. infantisは母乳に豊富なヒトミルクオリゴ糖(HMO)を分解する特殊な能力を持つ菌株です。母乳育児児の腸で自然に優勢となり、腸バリアを強化し、免疫の発達を助けます。
Saccharomyces boulardii CNCM I-745 - 抗生物質使用時に必須
S. boulardiiは細菌ではなく酵母(yeast)系のプロバイオティクスです。抗生物質によって破壊されないという独特の利点があり、抗生物質服用中でも効果を維持できます。
主要データ
- 小児AAD発生率:20.9% → 8.8%に減少(6つのRCT、1,653名)
- 成人を含む研究で、クロストリジオイデス・ディフィシル感染リスク75%減少
正しい赤ちゃんの乳酸菌の選び方
赤ちゃんのプロバイオティクスを選ぶ際は、以下の5つのポイントを確認してみましょうね。
1. 菌株レベルまで確認する
- 同じ「ラクトバチルス」でも菌株によって効果がまったく異なる
- 必ず菌株名(例:L. reuteri DSM 17938)まで表記された製品を選択
- 「乳酸菌100億」などのマーケティング表現より菌株の確認が優先
2. CFU数を確認する
- CFU(Colony Forming Units)は生きている菌の数を示す単位
- 赤ちゃん用は最低1億〜100億CFUの範囲が一般的
- 賞味期限まで保証されたCFUか確認する(製造時のCFUではなく)
3. 添加物をしっかりチェックする
- 人工着色料、人工香料、砂糖、甘味料が無添加か確認
- アレルギー誘発成分(乳、大豆、グルテン)の表示を確認
- できるだけシンプルな成分構成の製品を選択
4. 月齢に合った製品を選ぶ
- 乳児用(0〜12ヶ月)と幼児用(1〜3歳)の製品を区別
- 乳児用は粉末またはオイルドロップタイプが適切
- 錠剤やカプセルは誤嚥の危険があるため避ける
5. 臨床的根拠を確認する
- その菌株の小児臨床試験結果があるか確認
- ESPGHAN、AAPなど信頼性の高い機関の推奨があるか確認
赤ちゃんの乳酸菌の正しい飲ませ方
プロバイオティクスの効果を最大限に引き出すには、正しい飲ませ方がポイントですよ。
温度管理が重要
- プロバイオティクスは生きた菌なので熱に敏感
- 37度以下のぬるま湯や飲み物に混ぜる
- 熱いミルクや離乳食に直接入れない
- ミルクを作って適温に冷ましてから投与
飲ませるタイミング
- 食前または食事と一緒に摂取するのが一般的
- 胃酸が少ない空腹時の方が生存率が高いという研究も
- 毎日同じ時間に継続して飲ませることが大切
形態別の飲ませ方
- オイルドロップ:乳首や指に垂らして吸わせる
- 粉末:少量のぬるま湯や冷ましたミルクに溶かしてスポイトで投与
- 残った溶液は保管せずすぐに廃棄する
保管方法
- 冷蔵保管が基本(一部製品は常温保管可能)
- 直射日光と高温多湿な環境を避ける
- 開封後の使用期限を確認する
副作用と注意点
プロバイオティクスは概ね安全ですが、以下の点には気をつけてあげましょうね。
一般的な初期反応(1〜2週間で改善)
- 一時的にガスが増えることがある
- 便の色や質感がわずかに変わることがある
- お腹がゴロゴロすることがある
必ず医師に相談が必要な場合
- 早産児(37週未満)または低出生体重児
- 免疫不全疾患のある赤ちゃん
- 中心静脈カテーテルを装着している赤ちゃん
- 腸の手術を受けた赤ちゃん
- 重篤な基礎疾患のある赤ちゃん
FDAの警告事項
- 早産児へのプロバイオティクス投与で、まれですが死亡例を含む重篤な侵襲性感染症が報告されています
- ハイリスク児には必ず医療従事者の監督下で使用してください
母乳育児と腸内細菌の関係
母乳は赤ちゃんの腸内細菌に最も大きな影響を与える要素なんですよ。
母乳が腸内細菌に与える影響
1. ヒトミルクオリゴ糖(HMO)
- 母乳には200種以上のオリゴ糖が含まれている
- ビフィドバクテリウムなど有益菌の重要な栄養源
- 有害菌が腸壁に付着するのを物理的にブロック
2. 母乳中の生菌
- 母乳自体に乳酸菌やビフィズス菌が含まれている
- 母乳育児を通じて自然にプロバイオティクスが伝達される
- 1回の授乳で約10^5〜10^7個の細菌が伝達
3. 免疫成分
- IgA抗体が腸粘膜を保護
- リゾチーム、ラクトフェリンなどが有害菌を抑制
- 腸管免疫系の発達を促進
母乳育児とプロバイオティクスの併用は?
- 母乳育児中でも必要に応じてプロバイオティクスの補充は可能
- 乳児疝痛や特定の消化問題がある場合は補充が助けになることがある
- 健康な完全母乳育児児であれば、別途補充なしでも腸内細菌の発達は良好
ベビスナで便の変化と健康を記録しましょう
プロバイオティクスを始めると、赤ちゃんの便の状態が変わることがありますよ。ベビスナで変化をしっかり記録・管理してみましょうね。
- AI便分析:写真を撮るだけで、便の色、質感、健康状態をAIが自動分析してくれます
- おむつ記録:毎日の排便回数と状態を記録し、プロバイオティクス投与前後の変化を一目で比較できます
- AI育児相談:赤ちゃんの乳酸菌に関する疑問を、AIチャットボットにいつでも相談できます
- 健康記録の共有:小児科受診時に記録データを医師に見せれば、より正確な相談が可能です
参考文献
- ESPGHAN - Probiotics for the Management of Pediatric Gastrointestinal Disorders (2023)
- AAP HealthyChildren - Probiotics in Infant Formula
- PMC - Probiotics in Pediatrics: A Review and Practical Guide
- Healthline - Baby Probiotics: Benefits, Safety, and More
- Canadian Digestive Health Foundation - Probiotics for Infants
- 雪印ビーンスターク - 赤ちゃんのプロバイオ



