赤ちゃんの尿路感染症:発熱だけのことが多い理由と、尿検査が先である理由
赤ちゃんの健康を写真1枚で確認
無料で始める赤ちゃんに熱がある。でも鼻水も咳もなく、下痢もしていない。どこが痛いのかも見えない。この「原因のわからない熱」のときに、一度は思い出してほしいのが尿路感染症です。よくある病気なのに見逃されやすく、見逃すと腎臓まで及びます。
なぜ見逃されやすいのか
日本医師会は明確に案内しています。6か月以下の乳児の発熱時には、必ずこの尿路感染症を疑い、尿検査をします。
大人なら「排尿のときに痛い」「トイレが近い」と言えます。赤ちゃんは言えません。だから外から見えるのは「熱のある子」だけで、かぜとして片づけられやすいのです。
年長のお子さんであれば、膀胱炎の症状としてトイレが近くなり、排尿後の満足感が得られず、下腹部に違和感を覚えるという形で表れます。言葉にできる年齢かどうかで、見え方がまったく変わります。
見ておきたいサイン
| まだ話せない赤ちゃん | 話せる年齢の子ども |
|---|---|
| ほかに説明のつかない熱だけが出る | 排尿のときに痛がる |
| いつもよりひどく機嫌が悪い | トイレが近くなる |
| 飲みが悪い、授乳を嫌がる | 出しても満足感が得られない |
| 吐く、ぐったりする | 下腹部に違和感を訴える |
| 尿のにおいや色がいつもと違う | おむつが外れたのにまた漏らす |

検査はどうするのか
日本医師会の説明では、採尿パックを使って尿を採り、とれた尿を顕微鏡で観察し、白血球が多数あり細菌が認められれば、尿路感染症と診断します。
なお、おしっこが赤い場合には別の可能性もあります。日本医師会は出血性膀胱炎について、おしっこが赤いこと、数日でよくなることから診断がつくとし、アデノウイルスによるものだと説明しています。赤い尿すべてが尿路感染症というわけではありません。
抗菌薬より尿検査が先です
熱が出たからといって、家にある抗菌薬や別の病気でもらった抗菌薬を先に飲ませるのは避けてください。検査の前に抗菌薬が入ると、感染があっても検査で捕まらなくなることがあり、診断そのものが消えてしまいます。
原因のわからない熱であれば、抗菌薬を始める前に尿検査を。すでに飲ませたことがある場合は、必ず医療者に伝えてください。その一言で結果の読み方が変わります。
治療について
日本小児科学会は抗菌薬の適正使用を、適正な「抗菌薬」を選択し、適正な「量」で適正な「期間」治療を行うことと定義しています。よくなったように見えても、決められた期間を最後まで続けてください。
同学会は、抗菌薬の不適正使用により薬剤耐性菌が世界的に増加していることも指摘しています。家に残っている抗菌薬を自己判断で使うのは、目の前の診断を消してしまうだけでなく、この問題にもつながります。
繰り返すとき — 膀胱尿管逆流
一度で終わらず繰り返す場合は、構造的な理由を探します。代表的なのが膀胱尿管逆流で、尿が膀胱から尿管へ逆流する状態です。
日本医師会は、逆流があると尿路感染症を繰り返し、腎盂の拡大が起こり、腎臓の実質が萎縮し、最悪の場合、腎不全になると説明しています。繰り返す尿路感染を「またか」で流してはいけない理由がここにあります。再発の時期を正確に記録しておくと、検査の判断が早くなります。
受診の目安
- 呼吸器症状や下痢で説明がつかない熱が続くとき
- 熱に加えて強い不機嫌、授乳拒否、嘔吐、ぐったりがあるとき
- 尿のにおいや色が明らかにいつもと違うとき
- おむつが外れていた子がまた漏らすようになったとき
- 尿路感染症を繰り返すとき
とくに6か月以下の赤ちゃんの発熱では、日本医師会が必ず尿検査をすると案内している通り、迷わず受診してください。
ベビスナで熱と尿の記録を残す
- 体温を時間ごとに記録し、「何日目に何度まで」を受診時にそのまま見せる
- おしっこのおむつ回数を記録し、尿量の変化を見逃さない
- 服薬の記録で抗菌薬をいつから飲ませたかを正確に残す — 検査の読み方が変わります
- 再発の履歴を残し、検査の判断を早める
よくある質問(FAQ)
Q: 熱だけでもほんとうに尿路感染症のことがありますか?
A: はい、むしろそれが典型的です。赤ちゃんは「排尿のときに痛い」と言えないため、外から見えるのは熱だけになります。日本医師会は6か月以下の乳児が発熱したときには必ず尿路感染症を疑い、尿検査をすると案内しています。呼吸器症状や下痢で説明できない熱が続く場合は、尿検査を相談してください。
Q: 家にある抗菌薬を先に飲ませてもよいですか?
A: 避けてください。検査の前に抗菌薬が入ると、感染があっても尿の検査で捕まらなくなることがあり、診断そのものが消えて治療が遅れます。原因のわからない熱であれば、抗菌薬を始める前に尿検査を受けてください。すでに飲ませたことがある場合は、その事実を必ず医療者に伝えてください。
Q: おむつの赤ちゃんの尿はどうやって採りますか?
A: 採尿パックを使って採ります。日本医師会は、とれた尿を顕微鏡で観察し、白血球が多数あり細菌が認められれば尿路感染症と診断すると説明しています。採取のしかたによっては皮膚の細菌が混じることがあるため、結果の解釈は医療者に委ねてください。
Q: 何度も繰り返すのはなぜですか?
A: 構造的な原因を探す必要があります。代表的なのが膀胱尿管逆流です。日本医師会は、逆流があると尿路感染症を繰り返し、腎盂の拡大が起こり、腎臓の実質が萎縮して、最悪の場合は腎不全になると説明しています。繰り返す場合は「またか」で流さず、検査について相談してください。再発の時期を記録しておくと判断が早くなります。
参考文献

医療上の免責事項: この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医療アドバイスに代わるものではありません。赤ちゃんの健康について心配な点がある場合は、必ず小児科専門医にご相談ください。
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