赤ちゃんの口内炎:手足口病・ヘルパンギーナの見分け方と脱水サイン
赤ちゃんの健康を写真1枚で確認
無料で始める赤ちゃんが急によだれを増やし、ミルクを押しのけ、口に触れると泣く。口の中を見ると白っぽい、あるいは赤いただれが見える。口内炎です。多くは自然に治りますが、保護者が本当に見ておくべきなのは潰瘍そのものではなく、痛みのせいで水分を取らなくなっていないかです。この記事では原因の見分け方、家庭でできること、そして受診が必要な具体的なサインを整理しました。
口内炎とは何か
口内炎は、歯ぐき、頬や唇の内側、口蓋、舌など口の中の粘膜に炎症が起きる状態をまとめた呼び名です。一つの病名ではなく、複数の原因をまとめた言葉です。
原因は大きく二つに分かれます。
感染性 — ウイルスや細菌によるもの。乳幼児で多いのはほとんどがこちらです。
非感染性 — 再発性アフタ性潰瘍のように、感染ではないもの。同じ場所に繰り返しできる小さく丸い潰瘍が代表例です。
三つの見分け方
保護者が最も知りたいのは「これは何か」です。夏に多い三つは、潰瘍がどこにあるかと口の外に発疹があるかでかなり見分けられます。
| ヘルパンギーナ | 手足口病 | ヘルペス性歯肉口内炎 | |
|---|---|---|---|
| 潰瘍の位置 | のどの奥(咽頭)が中心 | 舌・歯ぐき・頬の内側 | 歯ぐきと口の中全体 |
| 口の外の発疹 | なし | 手のひら・足の裏・おしり | なし(口唇周囲には出ることあり) |
| 発熱 | 突然の39度以上 | 発熱の1〜2日後に潰瘍 | 水疱の前に高熱 |
| 歯ぐき | おおむね正常 | おおむね正常 | 腫れて出血しやすい |
| 好発年齢 | 4歳以下 | 2歳以下が半数 | 初感染期の乳幼児 |

ヘルパンギーナは厚生労働省の資料によると、突然の39度以上の発熱と咽頭痛で始まり、のどに赤い発疹が現れ、次に水疱となり、間もなく潰瘍になります。4歳以下の乳幼児に多く、夏季に流行します。
手足口病は発熱・咽頭痛が先に来て、1〜2日後に舌や歯ぐき、頬の内側に水疱のような潰瘍が現れます。手のひら・足の裏・おしりにも発疹が出ますが、多くはかゆみを伴いません。感染症発生動向調査では2歳以下が半数を占めます。
ヘルペス性歯肉口内炎は単純ヘルペスウイルスに初めて感染したときに起こります。オーストラリア王立小児病院の資料では、初感染の子どもの約4人に1人に口内の潰瘍ができるとされています。歯ぐきが腫れて出血しやすいのが特徴です。
💡 見分けがつかなくても大丈夫です。家庭ですること(水分と痛みの管理)は三つともほぼ同じです。病名を当てるより、下の脱水サインを見るほうがずっと重要です。本当の危険は潰瘍ではなく脱水です
口が痛いと、子どもは食事だけでなく水分も拒みます。自然に治る病気であっても医療が必要になるとしたら、その理由の多くは脱水です。口の中の病変で経口摂取が難しく脱水が心配される場合には、点滴を含む対症療法が行われることがあります。
オーストラリア王立小児病院が挙げる脱水のサインは次のとおりです。
軽い脱水 — 排尿の回数が減る、尿の色が濃い黄色や茶色になる、唇・舌・口の中が乾く、ふらつく
重い脱水 — 尿がまったく出ない、目がくぼんで見える、泣いても涙が出ない
軽いサインが見えたら水分摂取を積極的に増やし、重いサインが一つでもあればすぐに受診してください。
家庭でできること
まず水分、食事は後で — オーストラリア王立小児病院は「食べないことを心配しすぎる必要はないが、十分な水分を取ることは重要だ」と案内しています。数日食べる量が減るのは問題ありません。飲まないことが問題です。
冷たく刺激のないもの — 冷たい飲み物やアイスバーが役立ちます。オレンジジュースのような酸味の強いもの、塩辛いもの、熱いものは潰瘍を刺激し、拒否を強めます。
痛みのコントロール — アセトアミノフェンやイブプロフェンを使えます。痛くなければ飲めます。局所麻酔のジェルは医師が判断して処方するものなので、自己判断で使わないでください。
少しずつ、こまめに — 一度に多く与えようとすると拒みます。スプーンやシリンジで少量を頻回に与えるほうが、総量は多くなります。
受診の目安
次のいずれかに当てはまる場合は受診してください。
- 水分や授乳を拒み続け、上の脱水サインが見られるとき
- 潰瘍が3週間を超えて治らないとき(英国国民保健サービスの基準です)
- 潰瘍から出血する、あるいはより赤く痛みが強くなるとき(二次感染の可能性)
- 発熱が続き、頭痛や嘔吐を伴うとき
厚生労働省は、ヘルパンギーナの合併症として熱性けいれんと脱水症を挙げ、小児ではまれに髄膜炎や心筋炎に注意が必要だと案内しています。脱水が合併症として挙げられていることに注目してください。頻度は高くありませんが、知っておいてください。
すぐに救急要請 — 子どもを起こしにくい、異常に混乱している、極端にぐったりしているときです。
どのくらい続くか
英国国民保健サービスは、一般的な口内炎の潰瘍は1〜2週間で自然に治ると案内しています。ヘルペス性歯肉口内炎の潰瘍は10〜14日かかることがありますが、痛みは3〜4日でかなり和らぎます。手足口病はおおむね3〜7日で改善します。
つまり最もつらいのは最初の3〜4日です。その期間だけ水分を守り切れば、あとは時間が解決してくれます。
ベビスナで口内炎の一週間を管理する
- 授乳量・水分摂取量を記録して「今日どれだけ飲めたか」を目で確認
- おしっこの記録で脱水サインを見逃さない
- 体温の記録で熱の推移をそのまま受診時に見せる
- AI うんち分析で、食べられない時期の便の変化を一緒に確認
よくある質問(FAQ)
Q: 口内炎と手足口病はどう見分けますか?
A: 最も早い方法は口の外を見ることです。手のひら・足の裏・おしりに発疹があれば手足口病の可能性が高くなります。潰瘍がのどの奥に集まり、突然の39度以上の発熱で始まっていればヘルパンギーナに近く、歯ぐきが腫れて出血しやすければヘルペス性歯肉口内炎を疑います。ただし家庭での対応は三つとも同じです。
Q: 痛がって水を飲みません。いつ受診すべきですか?
A: 排尿の回数が明らかに減る、尿の色が濃い黄色から茶色に変わる、唇と舌が乾くのは軽い脱水のサインです。尿がまったく出ない、目がくぼむ、泣いても涙が出ない場合はすぐに受診してください。痛みのせいで飲めないことが多いので、解熱鎮痛薬で痛みを抑えてから再度試してみてください。
Q: 口内炎が治るまでどのくらいかかりますか?
A: 一般的な口内炎の潰瘍は1〜2週間で自然に治ります。ヘルペス性歯肉口内炎は潰瘍が10〜14日続くことがありますが、痛み自体は3〜4日で大きく軽くなります。手足口病はおおむね3〜7日で改善します。3週間を超えて治らない潰瘍は別の原因を確認する必要があるため受診してください。
Q: 口が痛いとき何を食べさせればよいですか?
A: 冷たく刺激のないものが適しています。冷たい飲み物、アイスバー、経口補水液が役立ちます。オレンジジュースのような酸味の強い飲み物、塩辛いもの、熱いものは潰瘍を刺激するので避けてください。数日食べる量が減るのは許容できますが、水分は欠かせず、一度に多くより少量を頻回に与えるほうが総摂取量は多くなります。
参考文献

医療上の免責事項: この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医療アドバイスに代わるものではありません。赤ちゃんの健康について心配な点がある場合は、必ず小児科専門医にご相談ください。
あわせて読みたい記事
こんな記事もおすすめ

赤ちゃんのとびひ(伝染性膿痂疹):症状・抗菌薬治療・登園の目安
赤ちゃんの肌に黄色いかさぶたができて広がっていませんか。とびひは夏に乳幼児で多い細菌感染で、伝染力が強い病気です。日本小児科学会は登園制限を設けていませんが、病変部を覆うことが前提です。見分け方と家庭での注意点をまとめました。

赤ちゃんのうんちに血・黒い便・白い便が見えたら 受診の目安と記録ポイント
赤ちゃんのうんちに血、黒い便、白い便、粘液が見えたときに、急いで受診すべきサインと、小児科へ連絡する前に写真や回数をどう記録すると伝わりやすいかを整理します。

赤ちゃんの尿路感染症:発熱だけのことが多い理由と、尿検査が先である理由
赤ちゃんが鼻水も咳もなく熱だけ出ていませんか。乳幼児の尿路感染症は発熱以外の症状が出にくく、日本医師会は6か月以下の発熱では必ず尿検査をすると案内しています。見分け方と検査・治療の流れをまとめました。