ベビーサイン完全ガイド:言葉が出る前に赤ちゃんと通じ合う方法

公開日: 2026-06-18最終確認日: 2026-06-18ベビスナ育児コンテンツチーム13 で読めます

赤ちゃんが泣いて何かを欲しがっているのに、何を求めているのか分からず困ったことはありませんか。まだ話せないけれど、確かに伝えたいことがある赤ちゃん。ベビーサインは、そんなコミュニケーションのすきまを埋めてくれる手の言葉です。ふつう生後6~8ヶ月から教え始めると、8~12ヶ月頃に赤ちゃんが自分からサインを見せ始めますよ。この記事では、ベビーサインとは何か、いつどう始めるか、最初に教えやすい基本サインやよくある誤解まで、バランスよくご紹介します。

ベビーサインとは?

ベビーサインとは、まだ話せない赤ちゃんが手の動きで自分の気持ちを表現できるように助ける、かんたんなジェスチャーの言葉です。「もっと」「もういらない」「眠い」といった毎日の必要を、手の動きで表すように教えていきます。

ここで必ず区別しておきたいことがあります。ベビーサインは、ろう者コミュニティの正式な手話(日本手話、アメリカ手話ASLなど)とは違います。正式な手話は、独自の文法と語彙体系をもつ完全な言語です。一方ベビーサインは、言葉が出る前に一時的に使う補助的なコミュニケーションの手段で、一部のサインを正式な手話から借りることはあっても、文法体系をもつ言語ではありません。

💡 ベビーサインは言葉の代わりではなく、言葉を補うための道具です。いつも言葉といっしょに使うことが大切ですよ。

いつ始めるとよい?

ベビーサインを教え始めるのによい時期は、生後6~8ヶ月頃です。この頃の赤ちゃんは手と目の協応が発達し、いないいないばあのように人とやりとりする遊びに興味を示し始めるからです。

ただし、教え始めてもすぐに赤ちゃんがまねをするわけではありません。ふつうは根気よく見せ続けたあと、8~12ヶ月頃になってようやく、赤ちゃんが自分からサインを作って見せ始めます。なぜなら、その頃にようやく指の小さな筋肉が十分に発達するからです。ですから最初の数週間、数ヶ月は反応がなくても、あせらないでくださいね。

時期特徴親がすること
6~8ヶ月手と目の協応が発達、教え始めの適期基本サイン2~3個をくり返し見せる
8~10ヶ月サインを認識し、反応し始める同じサインを毎日の習慣につなげる
10~12ヶ月赤ちゃんが自分からサインで表現するたくさんほめてすぐに応えてあげる

効果と根拠:何が本当なの?

ベビーサインのいちばんはっきりした利点は、コミュニケーションのいらだちを減らせることです。赤ちゃんが「もっと」「お水」を手で表せるようになると、欲しいものを分かってもらえずに泣く場面が減ります。親も赤ちゃんの必要をすばやく読み取って対応できるので、おたがいにストレスが少なくなりますよ。

もう一つは、親子のきずなが深まることです。サインをやりとりすること自体が、目を合わせて集中する関わりなので、心の通い合いを高めてくれます。

でも、バランスよく見ることも大切です。「ベビーサインをするとIQが上がる」「天才になる」「言葉がぐんと早くなる」といった大げさな主張には、科学的な根拠が十分にありません。なぜなら、早い時期のジェスチャーが永続的なIQの差になるわけではないからです。アメリカ言語聴覚協会(ASHA)や多くの研究も、ベビーサインが長期的な言語・認知の優位を保証するわけではないと見ています。ですから、かしこい子にするためではなく、通じ合いを楽しくするための道具として向き合うのが健康的ですよ。

⚠️ 「天才に育てる」といった宣伝には注意しましょうね。ベビーサインの本当の価値は、いらだちを減らし、きずなを深めることです。

最初に教えやすい基本サイン

はじめは、赤ちゃんの毎日でいちばんよく使うサイン2~3個から始めるのがよいです。下は、親がよく最初に教える基本サインです。動作は家庭ごとに少し違っても大丈夫です。家族みんなが同じ動作を一貫して使うことのほうが大切ですよ。

サイン動作の説明使う場面
もっと両手の指先を合わせて、まん中でトントンと合わせる食べ物や遊びをもっと欲しいとき
まんま(食べる)指先をつまんで口のほうへ運ぶおなかがすいて食べたいとき
もういらない両手を開いて左右にふる食事や活動を終えたいとき
お水指三本をのばして口元にトントンとあてるのどがかわいたとき
いたい両手の人さし指を、痛い場所の近くで向かい合わせるどこかが不快だったり痛いとき
ねむい手のひらをほおにあてて、頭を少しかたむけるつかれて眠りたいとき
ママ・パパママは親指をあごに、パパは親指をおでこにあてる親を呼んだりさがしたりするとき

教え方とコツ

ベビーサインに特別なレッスンはいりません。毎日のくり返しが、いちばん強力な教材です。

1. 言葉とサインをいつもいっしょに

  • サインだけ見せず、「もっとあげようか」と言いながら同時にサインする
  • 言葉と手の動きを結びつけてあげると、赤ちゃんが意味をつなげられます

2. 毎日の習慣につなげる

  • ごはんのたびに「まんま」のサイン、寝るたびに「ねむい」のサイン
  • 同じ場面でくり返すと、赤ちゃんの頭にパターンがきざまれます

3. たっぷりくり返す

  • 一日に何度も、数週間こつこつ見せる
  • 効果が8~12ヶ月頃にやっと出るのは、ふつうのことですよ

4. 家族みんなが同じサインを使う

  • ママ、パパ、祖父母がみんな同じ動作を使うと、学びが早まります
  • 家族で決めた動作なら、正式な手話でなくても大丈夫です

5. すぐに応えてほめる

  • 赤ちゃんがサインを見せたら、すぐに応えてにっこり笑ってあげる
  • 「お水がほしかったんだね、じょうずだね」と成功の経験を作ってあげましょうね
💡 はじめは「もっと」「もういらない」のように、一日に何度も使うサインから始めましょう。くり返す回数が多いほど早く覚えますよ。

よくある誤解:言葉が遅れる?

ベビーサインをためらういちばんの理由が、「手の動きにたよると言葉が遅れないか」です。結論から言うと、この心配には根拠が乏しいです。

多くの研究や専門機関は、ベビーサインが言葉の発達を遅らせるという明確な証拠を見つけていません。むしろサインをいつも言葉といっしょに使えば、単語と意味を結びつける練習になり、言語の発達に役立つこともあると見られています。赤ちゃんは話す準備ができると、手の動きを自然に言葉へ置きかえていきます。なぜなら、ジェスチャーは言葉の代わりではなく、その手前のステップだからです。

ただし、ベビーサインが言葉を劇的に早めるという保証もありません。大切なのは、「遅らせもしないし、魔法のように早めもしない」というバランスのとれた見方です。

赤ちゃんが反応しないとき

何週間も何ヶ月も見せたのに赤ちゃんがまねをしないと、がっかりしますよね。でも、ほとんどの場合は問題ではありません。次のことを確かめてみましょう。

1. まだ時期が早いかもしれません

  • 小さな筋肉が発達しきっていないと、8~12ヶ月以降に出ることもあります

2. サインが多すぎるかもしれません

  • 一度にたくさんより、2~3個にしぼりましょう

3. くり返しが足りないかもしれません

  • 毎日の習慣の中で、もっと頻繁に、こつこつ見せましょう

4. 赤ちゃんごとにペースが違います

  • ある赤ちゃんは、サインより指さしや喃語で先に表現することもあります
⚠️ ベビーサインを全くしなくても問題ではありません。ただし、12ヶ月になっても指さしや手をふるようなジェスチャーが全くない場合は、小児科に相談しましょう。

ベビスナでベビーサインの発達を記録しよう

どのサインをいつ初めて見せたかを記録しておくと、ベビーサインが成長のうれしい思い出になりますよ。

  • 発達のマイルストーン記録:初めてのサインが出た日づけを記録し、写真で残せます
  • AI発達ヘルパー:月齢ごとのコミュニケーション発達の段階を案内してもらえます
  • 家族共有:赤ちゃんが覚えたサインを家族みんなで共有し、同じ動作を使えます
  • AIチャットボット相談:ベビーサインや言語発達の気になることを、いつでも聞けます

よくある質問(FAQ)

Q: ベビーサインは何ヶ月から始めるべきですか?
A: ふつう生後6~8ヶ月から教え始めます。赤ちゃんが自分からサインを見せる効果は8~12ヶ月頃に出るので、あせらないでくださいね。

Q: ベビーサインをすると言葉が遅れますか?
A: 言葉が遅れるという根拠は乏しいです。いつも言葉といっしょに使えば、むしろ言語の発達に役立つこともあります。

Q: 正式な手話を正確にまねしないといけませんか?
A: いいえ。家族が一貫して同じ動作を使うことのほうが大切です。正式な手話の動作を借りると、覚えやすくなることはあります。

Q: はじめは何個のサインから教えるとよいですか?
A: 一日によく使う「もっと」「まんま」「もういらない」のようなサイン2~3個から始めるとよいです。慣れてきたら一つずつ増やしましょう。

参考文献

ベビーサイン完全ガイド:言葉が出る前に赤ちゃんと通じ合う方法

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